その人が肥満であるかどうかは、BMIと体脂肪率によって計測をすることができます。
ですが、例え肥満と呼ばれる数字の体重をしているからといってすぐにそれが「病気」と呼ばれるかというとそうではありません。
肥満の状態が健康上問題視をされているのは、肥満状態が長く続いてしまうことにより、重大な疾病の原因となるリスクが非常に高い生活習慣病を呼び込みやすくなってしまうからです。
肥満状態にあり、かつそれが原因で病状を伴うようになってしまった状態のことを「肥満症」と呼んで区別をすることがあります。
肥満症とは、BMIが25以上でありかつ「糖尿病」「脂質代謝異常」「高血圧」「痛風」「脳梗塞、」「脂肪肝」「月経異常」など全10項目のうちのいずれかの症状を伴う人のことを言います。
肥満症と呼ばれる条件としては、既に病状を伴っているという場合の他に「BMIの25以上で、健康障害がなくても検査によって内臓脂肪型肥満と診断された」場合も含まれます。
肥満症と診断された場合、実際にかかっている病気治療と平行して減量行為を治療として行うこととなります。
内臓脂肪型肥満とは、体重の増加の原因が皮下脂肪ではなく内臓脂肪に偏ってしまっている状態をさします。
「メタボリックシンドローム」という言葉は誰でも聞いたことがあると思いますが、メタボリックシンドロームとはこの内臓脂肪型肥満に加えて「高血圧」「高血糖」「脂質異常」のうちのどれか(もしくは複数)にかかっている人のことをいいます。
内臓脂肪型肥満は皮下脂肪蓄積タイプの肥満に比べて病気のリスクが非常に高いことから、特別に早急に減量治療が必要な状態として判断されているのです。
内臓脂肪型肥満であるかどうかは、ウエスト周りを測定し一定の基準よりも大きいと診断された場合、CTスキャンをして確認して診断がされます。
一般的な基準として、ウエストサイズは立って息を吐いた状態のへその周囲が男性85cm以上、女性90cm以上が危険性があるとされています。
体脂肪率は市販されている体脂肪率計測機能付き体重計でも計測することができますが、これはあくまでもおおよその数値であり、正確に内臓脂肪の量をはかることができるものではありません。
正確な内臓脂肪の測定はやはり専門の医療機関でのCTスキャンによる方法が最も確実なようです。
CTスキャンによる計測をすると、内臓脂肪の断面図を視覚的に確認をすることができます。