Quantcast
Channel: 肥満、肥満治療の歴史 »肥満症とは
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4

治療の歴史

$
0
0

医療技術の発達した現在においては、その人が疾病を伴う肥満症であるかどうかは検査によってすぐに確認をすることができます。
ですが、それら高度な医療技術のなかった過去の歴史の中にも、肥満を病気治療の一環として行なってきたという記録が残っています。
肥満が他の病気の原因となる重大な症状であるということは、検査や実験などを行う以前から経験的に世界中の人たちに知られていたことのようです。
歴史上最も古くに確認をされた「肥満」は、紀元前3000年にまでさかのぼります。
このころに作られた石器の女神像は腹部や臀部、乳房など「肥満体型」の女性の姿をかなり忠実に再現したものでした。
しかしながらこの頃の肥満は病気のもととして悪しきイメージを持っていたわけではなく、反対に豊穣や子宝繁栄を象徴する、ありがたいものとして思われていたようです。

肥満・肥満症:http://www.lifescience.jp/ebm/medhist/0707/0707.html

肥満が健康にとって有害であるという認識がもたれるようになった時期はいつ頃からかははっきりわかっていません。
文明的に医療行為が行われるようになったのは西暦1500年ころとされていますが、それ以前にも世界各地の記録や文献に肥満は治療する必要があることだという内容のものがいくつか残っているようです。
実際に肥満そのものを治療しようとした例もいくつか見られます。
例えば世界的に医学が最も古くから発達してきたとされるギリシアにおいては、聖医として歴史上名高いヒポクラテスが、痩せた人より肥満の人の方が突然死を起こしやすいという記録を残し、女性の肥満は不妊や月経異常の原因になるということを言っています。
ローマ時代になると、肥満を「軽度」と「過度」というように区別して健康と体重増加の関係をきちんと把握していたようです。

ただし当時の減量治療は現在に比べてかなり過酷なものであったらしく、栄養価の低い食物を大量に食べさせたり、眠りすぎをさせないように睡眠中に針で刺して深く眠らせないようにするといったかなり耐え難い方法がとられていたようです。
こらが12世紀くらいになると、肥満は自己管理のせいであると、自分の意思で治すのがよいという精神論まで登場するようになります。
肥満と健康の関係については比較的早い時期から発見をしていたにも関わらず、減量については歴史的にあまり優れた技術は発見されることはなかったようです。
いかにダイエットという行為が今昔を問わず人間にとって難しいものであるかどうかをうかがい知ることができるようです。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4

Trending Articles